ビルメン業界に転職したいけど、なんとなく不安です。
メリット・デメリットや、転職を成功させる秘訣について教えてください!
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ビルメンに転職するメリット6選
- ビルメンに転職するデメリット4選
- ビルメン転職を成功させるコツ3つ
本記事の執筆者
本記事を書いている僕は、ビルメンテナンス業界にホワイト転職を果たした、副業のビルメンブロガーです。現在は世界時価総額ランキングトップ50の製造メーカーに勤務しています。
今回は、ビルメンに転職するメリット・デメリットを業界歴8年のプロが解説します。
未経験の職種に挑戦するときは、わからないことも多く、不安になりますよね。
ビルメンは平均年収が低いといった欠点もありますが、残業やノルマがなく、休日もしっかり取れるため、プライベートを充実させたい人にはおすすめの業界です。
本記事を読み終えることで、ビルメン業界のメリット・デメリットへの理解が深まり、転職するときの不安が解消されます。
記事の後半では、ビルメン転職を成功させるコツについても紹介しているので、あわせて確認してみてください。
ビルメンに転職するメリット6選
まずは、ビルメンに転職するメリットを、下記で6つご紹介します。
- 長期的に安定した業界である
- 仕事にノルマや納期がない
- 年間休日数は実質200日以上
- 残業時間は月20時間以下
- 経験・年齢・学歴が不問の職業
- 手に職をつけることができる
それぞれ、順を追って解説していきます。
❶ 長期的に安定した業界である
ビルメン業界は不況に強く、長期的にみても安定した業界です。
株式会社 矢野経済研究所が、全国の有力ビル管理事業者を対象に行った「ビル管理市場に関する調査(2021年)」によると、同業界は新型コロナの影響をほとんど受けず、毎年4兆円前後の市場規模で力強く推移していることが判明しています。
上記のデータをみれば、ビルメン業界が景気や社会情勢に左右されにくく、一定の需要が見込める業界だとおわかりいただけるでしょう。
建物がある限りなくならない仕事なので、安定性を求める人にはピッタリの業界です。
❷ 仕事にノルマや納期がない
ビルメンの仕事には、ノルマや納期がありません。
なぜなら、設備の定期点検や保守といったルーティンワークが基本業務となっているからです。
主な仕事内容として、下記のようなタスクが挙げられます。
- 日々の検針や検査
- 機器の点検・交換
- 電気配線作業
- 各設備の清掃
- 異常発生時の対応
- 協力業者の管理
こんな感じで、1日の仕事の流れというのは大体決まっています。毎日のルーティンワークをこなして、問題がなければそれでOKです。
営業職のように、毎月ノルマに追われて余計なプレッシャーやストレスを感じることもありません。
ゆるく&マイペースに働きたい人には、マジでおすすめの業界です!
ビルメンの具体的な仕事内容は、下記の記事で詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひご覧ください。
❸ 年間休日数は実質200日以上
ビルメンの年間休日数は、実質200日以上あります。
一般的なサラリーマンであれば、年間休日数は多くても120日前後でしょう。
しかし、ビルメンには通常の「日勤」や「公休」のほかに、泊まりこみで働く「宿直」、宿直した翌日の「明け」休みといった勤務体制が存在するため、必然的に家で過ごす時間は増加します。
これらの勤務体制の違いは、下記です。
- 日勤 ⇒ 9:00~18:00(休憩1時間)
- 宿直 ⇒ 9:00~翌朝9:00(休憩2時間、仮眠6時間)
- 明け ⇒ 翌朝9:00以降~終日(実質的なお休み)
- 公休 ⇒ 正真正銘の休日
「明け」休みだと、朝9:00までは会社にいなければなりませんが、それ以降は勤務扱いで家に帰れます。
勤務扱いで家に帰れるなんて、なんだか得した気分ですよね!
参考までに、ビルメンの1ヶ月のシフトスケジュール(例)を、下記でご紹介します。
泊まり勤務がある場合、基本的には「日勤➡宿直➡明け➡公休」といったサイクルで回ります。
上記のシフト例なら、1ヶ月の休日数は18日(明け 8 + 公休 9 + 有休 1)となるため、年間休日数(18日 × 12ヶ月 = 216日)は200日OVERです。
余った時間は、恋人や家族と過ごしたり、自分の趣味や副業のために使うことができます。
1年のうち半分以上を自宅で過ごせるのは、ビルメンならではの魅力といえるでしょう。
❹ 残業時間は月20時間以下
ビルメンの残業時間は月20時間以下と、全体の平均値よりも少ない結果となっています。
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス doda(デューダ)が、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に行った「90職種別の平均残業時間ランキング(2021年)」によると、警備/清掃/監視/保守(=ビル管理)の平均残業時間は、ひと月あたり19.3時間であることが判明しています。
これは全体の平均残業時間(=20.8時間)よりも少ない数値となっており、ビルメンの残業が少ないといえる根拠の一つです。
ビルメンが残業を必要とするシーンは、大きく分けて下記の5つがあります。
- 突発的に発生する残業
- 外注業者対応による残業
- 現場欠員代務による残業
- 巡回ビルメンのサポート残業
- 表沙汰にしたくない残業
どれもイレギュラーな対応となっており、日常的な残業というのはほぼありません。
ビルメンは一般的なサラリーマンよりも休みが多く、残業も少ないのが特徴です。
❺ 経験・年齢・学歴が不問の職業
ビルメンは、経験・年齢・学歴が不問の職業です。
これらの条件が関係ない根拠として、下記の3つが挙げられます。
- ビルメンの「ニーズ」は増加傾向にある
- ビルメン業界は「人手不足」が続いている
- ビルメンの求人は「未経験者歓迎」が多い
実際に僕がこれまで出会ってきた中途採用者も、高卒・高齢・業界未経験のいずれかに該当していました。
さまざまな年代・経歴の方が混在するビルメン業界では、たとえ未経験者採用であっても、職場で浮いてしまうことなく、安心して働けます。
❻ 手に職をつけることができる
ビルメンの仕事は、手に職をつけることができます。
その理由は、ビル管理のプロフェッショナルとして、幅広い知識や経験が求められる仕事だからです。
具体的な業務内容は、下記の4つになります。
- 環境衛生管理業務:建物の衛生状態を改善する
- 設備管理業務:建物内の設備機器を保守管理する
- 建物・設備保全業務:建物全体を長期的に保全する
- 警備・防災業務:建物と人の安全を守る
こんな感じで、さまざまな設備に対しての知見が必要な仕事です。
そのため、同業他社への転職はもちろん、ビルメンで培ったスキルを活かして、異業種転職にチャレンジする人も多く見受けられます。
ビルメンは世間からのニーズが高い一方で、人手不足という長期的な問題も抱えています。
実務経験さえ積んでおけば、今後も食いっぱぐれる心配はないでしょう。
ビルメンに転職するデメリット4選
つぎに、ビルメンに転職するデメリットを、下記で4つご紹介します。
- 平均年収が低い業界である
- 汚れる仕事や雑用業務がある
- 泊まり勤務(宿直)がある
- 働きぶりを評価されにくい
それぞれ、1つずつ解説していきます。
❶ 平均年収が低い業界である
ビルメンは、平均年収が低い業界です。
株式会社リクルートが運営する転職サイト はたらいくが行った「2014~2015 職種別平均年収・月収100職種徹底調査」によると、ビルメンの平均年収は287万円であることが判明しています。
これは、サラリーマンの平均年収である433万円を大きく下回る結果です(出典:民間給与実態統計調査 – 国税庁)。
ビルメン業界の給与水準が低くなってしまう要因として、下記の3つが挙げられます。
- 利益を生み出す仕事ではないため、コストカットの対象になりやすい
- 業界的に人の出入りが激しいため、勤続年数の短い社員が多い
- 事業規模の小さな会社が多いため、全体的な平均値が下がりやすい
会社によって待遇も大きく違いますが、業界全体として給与水準が低いことは事実です。
仕事でバリバリ稼ぎたい人には不向きな業界といえます。
一方で、自由な時間は増えるので、副業や投資に専念して、本業以上に稼ぐことは十分に可能です。
❷ 汚れる仕事や雑用業務がある
建物をトータルで管理するというビルメンの特性上、汚れる仕事や雑用業務があることも認識しておきましょう。
たとえば、設備機器のメンテナンスのほかに、下記のような依頼がきます。
- ビル周辺の草むしりや雪かき
- トイレや排水管の詰まり除去
- 汚水槽の点検や簡易清掃
- 害虫発生状況の調査や点検
ときには、何でも屋として仕事を引き受ける必要もあるため、1つのことを集中して取り組みたいという人には向いてないかもしれません。
僕も最初は抵抗がありましたが、いまでは仕事だと割りきって対応しています。
❸ 泊まり勤務(宿直)がある
ビルメンは、泊まり勤務(宿直)がある現場がほとんどです。
24時間体制で建物を管理する現場では、普段とは違う生活リズムで働くことになります。
不規則な就業時間によるデメリットは、下記です。
- 慣れるまで体力的にしんどい
- 同居人からの理解が必要
- 周りと予定を合わせるのが難しい
泊まり勤務(宿直)の翌日はお休みを取れますが、それでも体に合わない人はいるので注意してください。
なかには夜勤のない現場というのも存在します。
どうしても不安な場合は、そういった求人を狙うのもアリですね。
❹ 働きぶりを評価されにくい
ビルメンの仕事は、働きぶりを評価されにくい傾向にあります。
その理由は、「設備が動いているのは当たり前」という認識を持つ方が多いからです。
たとえば、あなたがビルの利用者になったつもりで、下記のようなシーンを想像してみてください。
- エレベーターが突然、動かなくなった
- トイレの水が詰まって、流せなくなった
- 空調温度が寒すぎる または 暑すぎる
こういったトラブルが起きると、不満の矛先は設備管理者(=ビルメン)に向かうこともあり、ときにはクレーム対応をしなければならない場面というのも存在します。
利用者が何事もなく、快適にビルを使い続けられるように、日々の点検や修理を行っているビルメンですが、影の努力に気付いてくれる人は想像以上に少ないものです。
普段は誰かから評価されたり、感謝されたりすることはありませんが、「縁の下の力持ちとして、ビルの安全を守っている」という使命感や充実感があれば、困難も乗り越えていけるでしょう。
ビルメン転職を成功させるコツ3つ
さいごに、ビルメン転職を成功させるコツを、下記で3つご紹介します。
- 業界未経験なら、ビルメン関連資格を1つでも取得しておく
- 転職エージェントに登録して、求人を定期的にチェックする
- 転職口コミサイトで、会社の評判・働いてる人の本音を知る
理想の転職先を見つけるうえで重要なポイントになるので、1つずつ確認していきましょう。
❶ 業界未経験なら、ビルメン関連資格を1つでも取得しておく
もしあなたが業界未経験なら、ビルメン関連資格を1つでも取得しておきましょう。
採用試験では、経験・年齢・学歴以上に、資格の有無が重要視されます。
ビル管理会社が資格保有者を優遇する理由は、下記の2つです。
- 資格保有者しか担当できない職務が、数多く存在する
- 資格保有者リストが、会社の実績アピールに繋がる
極論をいえば、中途半端に経験を積んだ無資格者よりも、未経験の有資格者のほうが、会社への貢献度が高いわけです。
どんな資格を取得すればよいか迷う場合は、「ビルメン4点セット」の中から選んでみましょう。
ビルメン4点セットとは、下記4つの資格の総称です。
① 第二種電気工事士、
② 第三種冷凍機械責任者
③ 危険物取扱者乙種4類
④ 二級ボイラー技士
いずれもビルメン入門資格として、高い人気を誇ります。
実際に、僕も③ 危険物取扱者乙種4類、④ 二級ボイラー技士の2つの資格を取得することで、業界未経験でビルメンに転職できました。
❷ 転職エージェントに登録して、求人を定期的にチェックする
より条件のいい会社に転職したいなら、転職エージェントへの登録はマストです。
転職エージェントでは、非公開求人の紹介だけでなく、履歴書の添削や面接時のアドバイスなど、充実したサポートが無料で受けられるため、転職活動を効率よく進めることができます。
ビルメン転職に強いエージェントサービスは、下記の3社です。
- doda
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
優良企業の求人募集ほどすぐに埋まってしまうため、エージェントサービスには複数社登録して、求人を定期的にチェックしておきましょう。
「登録はいつでもできるし、後回しでいいや…。」
そんなことを考えている間に、あなたの希望求人を逃してしまうかもしれません。
”善は急げ”という言葉があるように、良い結果を得たいなら、今すぐエージェントサービスに登録してチャンスを伺うべきです。
一人での活動に自信がない人にとって、転職エージェントは心強い味方になってくれます。
実際に、僕もdodaのサポートを利用して、ホワイト企業に転職することができました。
❸ 転職口コミサイトで、会社の評判・働いてる人の本音を知る
希望の転職先が見つかったら、口コミサイトで会社の評判もチェックしておきましょう。
転職口コミサイトでは、実際にその会社で働いている人、または働いていた人の「リアルな声」を聞くことができます。
おすすめの転職口コミサイトは、下記の2つです。
- 転職会議
- キャリコネ
これらのサイトを利用すれば、給料事情や残業の有無、職場の雰囲気や人間関係など、気になる情報を事前に知ることができます。
自分が勤めた経験のある企業の口コミを投稿することで、他の方の口コミを無料で閲覧できる仕組みです。
ただし、転職口コミサイトの情報は、100%確実な情報とは限りません。
そのため、「良い口コミ」と「悪い口コミ」の両方に目を通し、どちらも参考程度に留めておくことが大切です。
まとめ:自由な時間を確保できるのが、ビルメンの魅力
今回は、ビルメンのメリット・デメリットを解説してきました。
本記事のまとめ
- ビルメンに転職するメリット6選
- ❶ 長期的に安定した業界である
- ❷ 仕事にノルマや納期がない
- ❸ 年間休日数は実質200日以上
- ❹ 残業時間は月20時間以下
- ❺ 経験・年齢・学歴が不問の職業
- ❻ 手に職をつけることができる
- ビルメンに転職するデメリット4選
- ❶ 平均年収が低い業界である
- ❷ 汚れる仕事や雑用業務がある
- ❸ 泊まり勤務(宿直)がある
- ❹ 働きぶりを評価されにくい
- ビルメン転職を成功させるコツ3つ
- ❶ 業界未経験なら、ビルメン関連資格を1つでも取得しておく
- ❷ 転職エージェントに登録して、求人を定期的にチェックする
- ❸ 転職口コミサイトで、会社の評判・働いてる人の本音を知る
ビルメンには収入が低いといったデメリットもありますが、それをカバーできるだけのメリットが存在することも事実です。
とくに自由な時間を確保して、人生を充実させたいと考える人にとってはベストな職業かもしれません。
興味のある方は、ぜひビルメン転職にチャレンジしてみてくださいね。
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